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研究内容

Keywords

走査トンネル顕微鏡、金属・半導体表面、原子分解能観察

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本表面真空学会, 日本物理学会

      マテリアル基盤研究センター
      タイトル

      走査型トンネル顕微鏡による原子分解能表面電子状態計測

      キーワード

      STM,STS,原子分解能,分光,強磁場,金属,半導体,トポロジカル絶縁体,二次元物質,単分子

      概要

      環境・資源・エネルギー課題を解決するための物質・材料研究において、原子・分子レベルでの特性制御と計測の重要性はますます高まっている。固体表面の原子・分子を実空間で観察可能な走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy: STM)は電子状態計測と原子・分子操作の機能を備えた強力な研究ツールである。我々のSTM装置では、磁場印加や光照射に対する材料表面の量子状態の応答検出や、ラマン分光やフォトルミネッセンス(PL)によるナノスケールの分光測定を実施することができる。

      新規性・独創性

      STMでは先鋭な金属探針で表面をなぞるように電子状態測定を行う。従来、不可能であった10μm程度の微小試料への探針アプローチが可能となり、微細加工した試料や試作段階の微少試料にも適応することが出来るようになった。また、1pA以下の極微電流を検出することで、STM計測の多結晶試料への展開も進めている。

      内容

      image

      STMは右図に示すように、導電性物質表面の形状や電子状態を原子分解能で測定可能な計測法である。左図に示す装置では、超高真空・低温チャンバー内のSTMヘッドの探針近傍に光学レンズを装備することで、微少試料の観察やラマン散乱光の集光が可能となっている。これにより、従来の原子・分子分解能測定機能に加え、右図の微小試料への探針アプローチの例に示すように約6μmの遷移金属カルコゲナイド試料の測定に成功している。このような測定機能を有するSTM装置は、試作段階の微少試料や電極形成や微細加工を施した二次元物質などのデバイス試料の電子状態計測への応用が考えられる。

      まとめ

      ● 半導体、トポロジカル絶縁体、遷移金属カルコゲナイド、磁性薄膜等の新規電子デバイス材料へ適用可能な原子分解能電子状態計測技術
      ● トンネル分光とラマン分光・PLを組み合わせた複合分光技術による半導体中の欠陥や単分子研究を可能とする計測技術
      これらの計測技術の高度化を目指すとともに、材料の実用化に活用される基礎データの提供を行う。

      この機能は所内限定です。
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