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研究内容

所属学会

応用物理学会, 日本結晶成長学会

電子・光機能材料研究センター
タイトル

超ワイドギャップ半導体の高速・高品質成膜技術の開発

キーワード

Ga2O3,HVPE,パワーデバイス電動航空機

概要

脱炭素社会に向けた省エネ実現のため、パワーデバイスの低損失化は喫緊の課題である。現状、ほとんどのパワー半導体デバイスはSiを用いて作られているが、その性能はSiの物性限界に到達しつつある。そこで、Siを超える高性能な超ワイドバンドギャップ (ultra-wide bandgap; UWBG) 半導体パワーデバイスの実現と普及が求められている。本研究では、そのような新材料の優れたポテンシャルを引き出し、高性能デバイスを十分な経済性を確保しながら製造するために必要な高品質・高速成膜技術の確立を目指す。

新規性・独創性

ハライド気相成長応 (halide vapor phase epitaxy; HVPE)法のUWBG材料への展開
寄生反応を防ぎ、MOCVD等に比べ100倍以上の高速成膜が可能。
良好な電気特性制御に貢献する、高純度結晶成長技術
成長モード制御や選択成長を駆使した欠陥密度低減技術

内容

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GaNなどのIII-V族化合物半導体の高速成膜で実績のあるHVPE法を、UWBG半導体として注目されているGa2O3の成長に展開し、その確立を目指している。これまでに、独自の反応炉設計、および成長反応とエッチング反応のバランス最適化による寄生反応抑制技術により100 μm/hを超える超高速成長を実現し、それを用いて100 μmを超える厚膜を成長することに成功している。また、選択成長と高速成長の両立にも成功し、転位密度の大幅な低減にも成功した。これらの成果は、数十μmを超える厚いドリフト層を備えた高耐圧のGa2O3パワーデバイスの実現に大きく貢献すると考えている。

まとめ

次々世代高性能パワーデバイス材料として注目されているGa2O3のHVPE法による超高速厚膜成長および選択成長による欠陥低減を実証した。本研究で得られた、平衡定数の大きな析出反応でも寄生反応を抑制しながら高速成長を実現する技術は、Ga2O3以外の新たな材料系にも展開可能と期待される。

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