- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
酸化物,薄膜,表面,界面
所属学会
応用物理学会, 日本セラミックス協会
受賞履歴
- 第33回エレクトロセラミックス研究討論会 最優秀賞 (2013); Best poster award, Workshop on Oxide Electronics 20 (2013); 応用物理学会講演奨励賞 (2002) ()
電子・光機能材料研究センター
酸化物界面構造の機能創出
酸化物半導体,薄膜,表面・界面,欠陥制御,スペクトロスコピー
概要
多彩な機能を有する酸化物材料を原子レベルで接合させ、これまでにない新しい機能を創出することは、省エネルギー・創エネルギー社会の実現に向けてますます重要となっています。高効率な酸化物デバイスの実現を目指して、ペロブスカイト型酸化物(主にSrTiO3やBaTiO3)や極性酸化物半導体ZnOヘテロ構造が注目されています。原子レベル制御する薄膜成長技術を駆使し、不純物や欠陥密度を低減した超高品質な半導体素子を構築して、その性能を向上させる材料開発を行います。
新規性・独創性
● 優れた接合界面を形成するため、原子レベルで行う構造・組成・欠陥の制御
● 極微量不純物の計測技術とそれを利用した隠れた機能の解明
● イメージングやスペクトロスコピー計測データと電子輸送データを両輪とする物性相関
内容
(左上)酸化物ヘテロ界面について、原子レベル秩序を有するエピタキシャル構造を作製することによって、電子状態の空間分布を原子レベル分解能で計測し独自な成長様式を解明した。また、この界面は高濃度電子を蓄積しており、新奇電子物性を引き出すことに成功した。
(左下)ウルツ鉱型ZnO薄膜の極性制御法を確立し、それに基づく電子物性変調を見出した。また、高品質ZnO結晶に含まれる極微不純物や欠陥構造に由来する電子輸送を明らかにして、新しいプロセス応用に展開できる知見を獲得している。
(右上)単結晶を用いて、強誘電体ドメイン構造に基づく異方的電気伝導性と局所電子状態を観測することに成功した。光電子分光測定を駆使して、ドメイン境界のポテンシャル障壁を可視化した。
(右下)抵抗スイッチングメモリの動作機構を検証するために、バルク敏感な硬X線光電子分光によって界面電子状態を明らかにした。新たな機構を活用した高速メモリ創出のためのプロセスを構築する。
まとめ
● 酸化物薄膜界面・ドメイン境界の電子状態計測
● 電子分光による極性酸化物半導体の極性判定
● 極性制御による電子輸送特性の解明
● 高品質ヘテロ接合化による多彩な物性の開拓
● 実用デバイス創成に向けた新しい原理の構築
● 酸化物中の精緻な欠陥制御基盤技術の創出