SAMURAI - NIMS Researchers Database

HOME > プロフィール > 大村 孝仁

外部併任先

研究内容

Keywords

強度物性,格子欠陥,転位,ナノインデンテーション,構造材料

所属学会

日本金属学会, 日本鉄鋼協会, 日本物理学会, Minerals,Metals & Materials Society

受賞履歴

  • 日本金属学会 論文賞 (2015)
  • 日本金属学会 功績賞 (2012)
  • 日本鉄鋼協会 西山記念賞 (2011)
  • 日本金属学会 論文賞 (2008)
構造材料研究センター
タイトル

微小力学解析によるハイスループット評価と強化機構解明

キーワード

ナノインデンテーション,電子顕微鏡その場変形,弾塑性変形,転位,降伏応力

概要

相・組織・組成などが微細・複雑に分布する材料に対してナノインデンテーションなどの微小力学解析を応用することにより、組織因子と力学挙動の関係を精緻に知ることができる。圧入変形の簡便性を活かし、多様な組成などに対する網羅的な測定をハイスループットで測定することが可能で、従来1年間を1日程度に短縮することができる。粒界、第2相、異相界面などの組織因子をスケールで分離することにより、各強化因子の寄与を定量的に評価することが可能である。これらの技術を活用して、材料設計の新たな指導原理提示と実証に貢献する。

新規性・独創性

ミクロンスケール以下の領域における力学挙動の実験解析
電子顕微鏡その場変形による動的挙動の解析
空間分解能数ミクロン程度の高速力学マッピング
転位論などを基礎とする微小力学挙動モデリング
マクロ特性発現機構のマルチスケールモデリング

内容

右図は,ナノインデンテーション技術の概要とハイスループット測定の例を示している。100 nm以下の押込深さで荷重―変位曲線が得られ,水平方向は1μm以下の非常の小さな領域を対象とすることができる。併設された走査プローブ顕微鏡を用いることにより,数10 nm程度の精度で測定位置を選択することが可能である。試料表面の広い範囲に対して自動多点測定を行うことにより,多様な組成や組織に対して網羅的な測定をハイスループットで行うことが可能である。ナノインデンテーションデータを基にした逆解析によって,各測定点に対応した応力ーひずみ関係を得ることも可能である。

image
image

左図は,走査電子顕微鏡(TEM)その場変形解析の概略を示したものである。荷重―変位の力学データを同時に取得できることが特徴であり,TEM観察の動画と同期させることによって転位の動的挙動と力学応答の関係を直接的に知ることが可能である。この技術を用いて,転位性格による易動度や転位密度と流動応力の関係,転位ー粒界相互作用,変形中の粒界形成の観察などに成功している。この技術を用いることにより,微視的組織因子による強化機構の詳細を解明することが可能で,材料開発の新しい指針を得ることができる。

まとめ

微小力学解析技術は,従来の評価手法では難しかった微視スケールの力学挙動の実測,ハイスループット測定による網羅的評価,電子顕微鏡技術との連携による動的挙動解析などを可能にする。これにより,組成・組織に基づいた力学情報のデータベース構築,各組織因子による強化機構の解明が可能となり,新たな材料設計のための強力なツールとなる。

この機能は所内限定です。
この機能は所内限定です。

▲ページトップへ移動