- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
コンビナトリアル、酸化物半導体、電子デバイス
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
公開特許出願
- 閾値算出方法 (2024)
- 結晶化コーティング薄膜及びその製造方法、並びに光学積層体及びこれを備えたディスプレイ、レンズ、及び物品 (2024)
- 窒化ガリウム等のⅢ族窒化物の成膜方法 (2007)
所属学会
応用物理学会, 日本誘電体学会
電子・光機能材料研究センター
薄膜材料スマートラボによる無機薄膜電子材料開発
誘電体,半導体,ヘテロ界面,ハイスループット合成,機能性薄膜
概要
半導体に代表される電子材料は、IoT、電気自動車などの新技術で多用途に使用されている。この中で高集積、多機能化に加えて高耐久性、高速動作や合成のしやすさなどのニーズが増加している。我々は、無機半導体/誘電体材料に注目し、高信頼性と次世代の高速/高電力電子素子に資する新薄膜電子材料の開発を目的としている。薄膜誘電体材料はキャパシタ、メモリー素子、絶縁膜など多様な応用があり、応用に合せた材料設計にインフォマティクスの導入をすすめている。一方、新材料の応用としてメモリー素子もあるが、ここでは、ハイスループット材料開発と界面評価技術を用いて、誘電体/半導体界面の高機能化を目指している。
新規性・独創性
● ハイスループット薄膜合成・解析技術による系統的な薄膜材料探索
● AI技術を用いた物性解析による薄膜結晶成長条件探索の実現
● 複雑系酸化物ペロブスカイト材料による高誘電率・高熱安定材料の実現
● 非酸化物半導体材料に向けた非酸化物高誘電体材料の開発
● 光電子分光技術を併せた誘電体/半導体界面の高精度解析と高機能化の実現
内容
スマートラボでは、これまで開発した高速薄膜材料合成技術であるコンビナトリアル材料合成・評価技術(図1)に加えて、多量点解析・データベース化・計算科学のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の導入(図2)を進め、更なる材料開発の加速を行っている。また、素子応用では、異種材料の界面が特性や合成のしやすさに影響する。我々は、光電子分光を用いて界面の化学結合や電子状態を解析し、バンド構造、欠陥構造を明らかにした。さらに素子動作状態でのその場観察技術で多様な電子材料界面の電子・欠陥構造を解明してきた。これらナノスケールの界面評価手法を用いて、高速材料開発で得られた材料の基本素子構造を評価することで素子応用への検証と問題解決を行う。
まとめ
薄膜材料スマートラボにより、薄膜電子材料の高機能化と新材料探索を加速した。系統的な材料合成と解析により、薄膜誘電体の新規材料開発の提案と既存材料においても電子物性の向上と信頼性の向上を実現した。今後もAI、DX、電動化が加速する社会ニーズに対する半導体を代表とした薄膜電子材料への期待は高まるなかで我々の技術は次世代半導体、機能性薄膜材料開発などに展開できると期待される。