SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

透光性、高強度、放電プラズマ焼結(SPS)

所属学会

日本金属学会, 日本セラミックス協会, 粉体粉末冶金協会

電子・光機能材料研究センター
タイトル

新規多結晶光学材料の探索と合成手法の開発

キーワード

多結晶光学セラミックス,複雑系光学材料,ハイエントロピーセラミックス,バルク化プロセス,外場効果

概要

光学セラミックスは、高効率・安全・安心な社会を人々に提供するセンサー用の窓材、ならびに高輝度光源用光学材などにおいて不可欠なキーコンポーネントである。これらの要求に資する次世代光機能材料の実現に向け大きなブレークスルーをもたらすには、新規材料開拓に向けた挑戦が不可欠である。そこで、従来のシンプル系の単相材に加え、光学セラミックス分野にブレークスルーをもたらす挑戦的な開拓領域として、「ミドル・エントロピー系」および「ハイ・エントロピー系」などの複雑系光学材料の開発に向けた研究を、機能性粉末の合成から粉末から多結晶光学デバイスを創製するためのプロセス開発までを総合的に推進する。

新規性・独創性

可視-近赤外域にわたる広帯域透過材料
複雑系の多結晶光学材料の探索
バルク化のための新たなプロセス開発
光学、構造機能性を重畳した光学材料

内容

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センサー用の光学窓材として実際に利用するには、光学特性に加えて優れた機械特性や熱特性などの諸特性も不可欠である。複数の機能を重畳する光学材料を単相のシンプル系材料のみで実現することは容易ではなく、異なる機能を有する複数の材料を組合せた光学複合材料(CMC:Ceramic Matrix Composite)が必要となる。例えば、左図は赤外透過材料として知られるMgAl2O4スピネル表面に高硬度のα-Al2O3アルミナ相を積層させることで、優れた広帯域透過特性を維持しつつ、従来比2.0-2.5倍の機械的特性(高硬度)を重畳する高強度・広帯域透過特性を有する積層型の光学CMC材料を実現した。合成プロセスを最適化し、良好な接合界面を達成することで積層型の光学材料の実現に至った。

オプトセラミックスにブレークスルーをもたらす新規な材料系の開発に向けた新たな領域の開拓が期待されている。近年、ハイエントロピー化による新たな機能を持った材料の探索が注目されている。ハイエントロピーとは、複数の元素を高濃度で混合した単相固溶体の総称で、金属材料、構造材料を中心に研究が進められ、新たな機能性を有する材料が報告されている。これまでに、ハイエントロピーセラミックスでも光学機能を有する材料が確認されている。ハイエントロピー材料の組合せは無限にあり、光学材料のニーズに応え得る高機能オプトセラミックスの開拓も期待できる。また、多成分、複雑系の光学セラミクスの創製に向けた新たなバルク化プロセスの開発も合わせて実施する。

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まとめ

粉末原料から合成する多結晶光学セラミックスは、低コスト・生産性・大口径化に優れ、また最終形状のネット成形が可能となる上、優れた機械的特性も期待できる。更に、特性向上に繋がる組成調整、異相材料との複合化やナノ化など、柔軟な組織制御も可能であり、社会実装に繋がる成果が期待できる。

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