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- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
Semiconductor devices, semiconductor physics, surface and interface physics
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
応用物理学会
電子・光機能材料研究センター
ダイヤモンドMOSFET論理回路
ダイヤモンド,MOSFET,論理回路
概要
ダイヤモンドは、高いキャリア移動度、大きな破壊電界と大きな熱伝導率を持つことから、高温、高出力、および高周波で安定に動作する電流スイッチおよび集積回路への応用が期待されている。我々は、極限環境下に強いダイヤモンド集積回路を開発するための第一歩として、ノーマリオン/オフ型動作モードの金属—酸化物—半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を組み合わせたダイヤモンド論理回路の開発に成功した。
新規性・独創性
● 極めて低い漏れ電流密度を持つダイヤモンドMOSキャパシタの開発
● ダイヤモンドMOSFETのノーマリオン/オフ型の制御プロセシングの開発
● ダイヤモンドMOSFET論理回路の開発
● 高熱安定性かつ低電力損失のダイヤモンド電力変換システムの開発
● 大電流出力マルチゲートダイヤモンドMOSFETの開発
内容
2012年に光電子分光技術により、種々酸化物と水素終端ダイヤモンド界面のバンド構造を明らかにし、酸化アルミニウム/水素終端ダイヤモンド界面の大きな価電子帯エネルギーオフセットが高性能MOS電子デバイス動作に有利であることを見出した。2013年には極めて低い漏れ電流密度を持つダイヤモンドMOSキャパシタの開発に成功するとともに、困難であったノーマリオフ型の水素終端ダイヤモンドMOSFETの開発に成功した。続いて2014年にダイヤモンドMOSFETと抵抗器の組合せでインバータ論理回路チップを試作し、2015年にはダイヤモンドMOSFETのノーマリオン/オフ型の制御プロセシングを開発するとともにそのメカニズムを明らかにした。更に2017年、2018年にはノーマリオン/オフ型動作モードのMOSFETを組み合わせたダイヤモンド論理回路の開発に成功した。高温、高出力ダイヤモンドデジタル回路と高熱安定性かつ低電力損失のダイヤモンド電力変換システムの応用を期待される。
まとめ
ダイヤモンド論理回路は、高温・放射線・宇宙環境・高出力・高周波などの極限環境条件においても安定に動作する電子デバイスへの応用が期待される。今後は、応用に必要な大電流化と高耐圧化を図るために、MOS界面のさらなる高品質化による移動度の向上、ドレイン領域に耐圧層の導入が必要ですが、近い将来、ダイヤモンドパワーエレクトロニクス産業の創出にも貢献します。