SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

Transmission Electron Microscopy (TEM), Electron Energy-Loss Spectroscopy (EELS), 4D-STEM, Nonnegative Matrix Factorization (NMF), Scripting

・透過電子顕微鏡法(TEM)、走査透過電子顕微鏡(STEM)および電子エネルギー損失分光法(EELS)等を用いた材料評価。
・電子顕微鏡用モノクロメーターを生かしたTEM, EELSによる材料評価。
・DigitalMicrograph(Gatan Inc.)のscriptingを利用した、STEM/TEM/EELSの自動計測および解析。
・4D-STEMおよび非負値行列因子分解(NMF)などの教師無し機械学習を利用した材料評価。

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本顕微鏡学会

      受賞履歴

      • 日本電子顕微鏡学会 論文賞 (1991),応用物理学会賞B(奨励賞) (1997),日本電子顕微鏡学会 奨励賞 (2001),日本電子顕微鏡学会 瀬藤賞/学会賞 (2008),文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)(2009) ()
      マテリアル基盤研究センター
      タイトル

      透過電子顕微鏡法(TEM)による材料評価法の開発と応用

      キーワード

      透過電子顕微鏡法,走査透過電子顕微鏡法,電子エネルギー損失分光法,結晶構造解析,化学結合状態解析

      概要

      透過電子顕微鏡法(TEM)は、極微小領域の拡大像を観察するイメージング、電子回折図形による結晶構造解析、電子エネルギー損失分光法(EELS)などによる元素分析など、様々な微細構造解析が可能である。球面収差補正装置・モノクロメーター・高感度検出器が開発され、原子分解能で評価・分析できるようになった。これまで我々は、高精度/高感度計測のためのTEM手法の開発や、データ解析手法を開発してきた。TEMの各種手法を組み合わせて、特異な物性や優れた性能を実現する微細構造を評価することにより、マテリアル革新力強化に寄与することを目指している。

      新規性・独創性

      STEMによる結晶構造観察。特に独自ソフトウエアによる高速多重計測とドリフト補正、高精度・高感度・定量計測。ドーパント検出や、欠陥配列構造の観察、原子位置のピコメートル精度での解析が可能。
      モノクロメーターを用いた低加速高分解能TEMおよび高エネルギー分解能高空間分解能STEM。
      DigitalMicorgraph (Gatan Inc.)のscriptingを用いた自動計測手法の開発。例えば、教師無し機械学習(非負値行列因子分解など)による4D-STEM解析など。

      内容

      image

      STEMによる高分解能高感度高精度結晶構造観察:NIMSの広崎らにより合成されたEu-doped SiAlON蛍光体において単原子ドーパントがどの結晶サイトにあるのかをSTEMで観察した。通常のTEM像では検出できないが、環状暗視野像で多重計測した高SN比画像ではEu原子を見ることができる。シミュレーションによる解析で、TEM試料膜厚や撮影条件も同定し、Eu単原子ドーパントの位置を決定した。
      ADF像を定量計測することにより、原子番号Zに関する情報が得られる。我々は、Zが大きく加速電圧低いと、いわゆるZ2則から外れていくことを見出した。シミュレーションと定量比較することにより、ADF像での原子の識別も可能である。
      TiO2ナノシート構造解析と新物質創成:NIMSの佐々木らにより合成されたTiO2ナノシート中の点欠陥を、TEMおよびSTEMで直接観察した。TEMではモノクロメーターにより色収差を従来の1/10に低減するとともに、球面収差補正により高分解能(~1Å)を実現した。低加速電圧(80kV)化によりダメージを低減し、多重計測によりSN比を向上させた。第一原理計算やシミュレーションを行い、観察された画像がTi点欠陥であることを明らかにした。
      さらに、電子線照射により膜構造を保ったままTi2O3ナノシートが創成されることもわかった。そのほか4D-STEMによる電子回折と機械学習とを組み合わせ、還元部分のマッピングや、原子分解能STEMによるTi欠陥の観察にも成功している。

      まとめ

      STEM/TEM/EELSと独自のデータ取得・解析ソフトウエアなども使い、高精度・高感度に微細構造を解析できる。
      原子分解能で、ドーパントや欠陥、あるいはピコメートルレベルの原子位置変動を解析できる。
      TEMによる様々な計測法を組み合わせ、材料開発上の問題の解決や、あるいは材料に関する新たな知見を得ることができる。

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