- Address
- 305-0003 茨城県つくば市桜3-13 [アクセス]
研究内容
- Keywords
酸化物,電子状態,量子効果
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
日本物理学会, 日本磁気学会
マテリアル基盤研究センター
量子マテリアルの開発とその低温・強磁場下での物性評価
量子マテリアル,単結晶育成,物性評価,低温,強磁場
概要
量子マテリアルは,トポロジーの概念も包括することで,次世代材料につながる新規な機能物性が近年提案され,多様な物質開発の研究が活発となっている.高品質な単結晶を用い,様々な実験手法にて本質的な物性を明らかにすることは研究の第一歩と言える.本研究では,高品質,かつ大型単結晶を得ることが可能な,浮遊帯域法により量子マテリアルの育成をおこなっている.育成した単結晶を用い,NIMSにて測定可能な30ミリケルビンまでの低温,かつ20テスラ級強磁場を駆使した輸送および磁気測定,熱物性測定をおこない,量子マテリアルの本質的バルク基礎物性を明らかにしている.
新規性・独創性
● 量子マテリアルの本質的物性
● 浮遊帯域法による高品質・大型単結晶の育成
● 低温・強磁場下での物性測定
内容
(左上図) 浮遊帯域法にて育成した磁気ワイル候補物質NdAlGe単結晶.レーザーを光源としたことで安定した溶融帯が形成でき大型単結晶が得られた.(右上図) 育成したNdAlGe単結晶の比熱と磁化測定.浮遊帯域法での育成により,磁気転移温度が鋭く,かつ,磁気異方性を明確に観測した.(左下図) 赤外線集中加熱炉を用いた浮遊帯域法にて,熱源となるハロゲンランプを改良した.従来の二層型から単層型にしたことで,溶融域を狭めることができ安定した結晶育成を可能にした.(右下図) 改良型単層ハロゲンランプにより育成したルテニウム酸化物の磁場-温度相図.空間反転対称性の破れに起因する新たな磁気相が熱力学的に安定することを明らかにした.
まとめ
● 浮遊帯域法での大型・高品質単結晶の育成
● 低温・高磁場下での輸送および熱力学的なバルク物性測定
● 本質的物性の解明
● 電子構造,磁性,およびトポロジーが絡む量子マテリアルの開発およびその制御