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磁性・スピントロニクス材料研究センター
タイトル

高速熱計測技術を用いた磁性体・誘電体の熱利用方法の開拓

キーワード

スピントロニクス,スピン流,熱電効果,熱計測

概要

熱制御や熱電変換など熱利用技術は、情報処理デバイスの高機能化・高密度化に伴って重要視されている。その一つの技術として、磁性体中のスピンと熱の相互作用を活用するスピンカロリトロニクスという分野に注目が集まっている。スピンのダイナミクスに着目することで、絶縁体中でも熱生成・情報伝播を制御できるため、従来にはない熱利用技術を構築できる可能性がある。これら新しい現象の熱特性を調べるためには、高速・高精度な熱応答計測が必要であり、サーモグラフィ法やサーモリフレクタンス法を活用した熱現象開拓・熱特性解析を行っている。さらに近年では誘電体中のダイナミクスにも着目し、新たな熱利用技術の開拓を試みている。

新規性・独創性

現象の熱特性の時間的・空間的特性の高分解能計測
磁性・誘電性を利用した新しい熱利用法の開拓
デバイスの動作時熱解析や熱設計へ展開

内容

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高温度分解・時間分解・空間分解ができる非接触の熱測定に向けて、サーモグラフィ法やサーモリフレクタンス法にフーリエ解析など時間方向の動的な解析を組み合わせ、幅広い現象・物質を対象とした測定を進めた。例えば絶縁体中の熱スピン変換ではMHzに迫る領域での熱振動を明瞭に捉えられており、熱解析と組み合わせることで絶縁体中1µm程度の領域で熱とスピンの変換が起きていることを明らかにした。液晶材料を用いた高感度化の追求やイメージング化なども行っている。実用デバイスでの動作解析にむけてMHzからGHz帯域への対応など、より広範な対象への熱計測の展開し、熱利用技術への貢献を目指す。

まとめ

非接触の熱計測法を活用し、磁性体・誘電体の自由度を用いる熱現象について、特性解析のための手法や測定手法を実証した。物質やデバイスの熱応答を知ることで、新しい現象が見出せたり、熱デバイス設計や性能評価が可能になる。今後さらに対象を広げて新たな熱利用原理の創出やデバイスの熱設計への貢献が期待される。

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