SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

  • 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 水素・燃料電池戦略室 専門職(2021年4月ー2022年3月)

研究内容

Keywords

博士(工学)(2003)原子間力顕微鏡による焼もどしマルテンサイトの組織観察法の開発と遅れ破壊特性に優れる組織の解析

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本金属学会, 日本鉄鋼協会, 日本ばね学会, 日本高圧力技術協会, 日本機械学会

      受賞履歴

      • 日本鉄鋼協会三島賞 (2018)
      • 日本ばね学会功績賞 (2017)
      • 日本ばね学会論文賞 (2016)
      • 第9回NIMS理事長賞(知的基盤功績賞) (2014)
      • 日本機械学会論文賞 (2013)
      • 日本鉄鋼協会西山記念賞 (2012)
      • 日本高圧力技術協会科学技術奨励賞 (2005)
      • 日本金属学会論文賞 (2003)
      • 日本鉄鋼協会俵論文賞 (2001)
      構造材料研究センター
      タイトル

      マテリアル循環を実現するリマニュファクチャリング技術の開発と信頼性向上

      キーワード

      歯車,ばね,シリンダー,浸炭,窒化,低合金炭素鋼,焼戻しマルテンサイト,残留オーステナイト,摺動疲労,X線回折,渦流探傷,老廃スクラップ,高温疲労,耐熱合金

      概要

      SDGsの達成に向けた世界的な取り組みとともに、循環経済に根ざした部品再生(リマニュファクチャリング)が大いに注目されている。機械部品のリマニュファクチャリングが環境負荷やメンテナンスコストの低減に大きな効果があるため、たとえば油圧部品やエンジンなど多種多様なリマニュファクチャリングが実施されており、産業規模が急激に拡大している。しかし、減速機などに用いられる大型歯車部品や軸受などの浸炭部品は、高負荷での稼働環境のためスクラップとなる割合が高く、それら高額部品のリマニュファクチャリングが強く求められている。
      歯車や軸受のリマニュファクチャリングのためには、非破壊検査技術の開発が必要である。さらにリマニュファクチャリングの価値を著しく上げるために機能復元することが不可欠である。そこで、リマニュファクチャリングのための安価で簡便な機能復元技術と信頼性評価技術の開発を目的としている。

      新規性・独創性

      非破壊検査と加熱修理を組み合わせた技術開発である。
      非破壊検査手法の高度化の一手法として、渦流探傷技術とX線回折(XRD)法と組合せることによって、部品の摺動疲労による機械的・組織的変化を評価できることを明らかにした。
      XRD法にて圧縮残留応力と残留オーステナイト相の経時変化を把握したことで、部品の再利用判定の基準を設定することを実現した。
      加熱修理技術は、摺動疲労した部品表面にレーザー焼入れ処理を行うことにより、残留オーステナイト相の比率を稼働前の状態に回復すると同時に結晶粒径の微細化を実現することによって、疲労寿命を最大約4倍向上することができた。

      内容

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      簡便かつ安価な熱処理のみによる高負荷下の稼働部品の機能復元技術を開発することを目的とし、市場で回収された歯車や軸受部品を模擬した浸炭表層の経時変化を非破壊検査で捉えると共に、摺動疲労損傷した浸炭表層に瞬間加熱・瞬間冷却を可能とするレーザー焼入れ(LH)を施した。その結果、摺動疲労損傷を瞬時に回復し、新品部品よりも長寿命を発現する画期的な組織改質を可能とした。これまでもレーザー焼入れにより、新品材の機能向上を試みた事例はあった。しかしながら、リマニュファクチャリングを目的とする稼働部品にレーザー焼入れを施して、機能復元を実現させた前例は全く無い。浸炭摺動部品の表層に対するレーザー焼入れのタイミングを最適化することで、結晶粒微細化によるき裂発生の抑制、残留オーステナイト相の分散強化によるき裂進展抑制の複合メカニズムにより、疲労損傷を回復し、長寿命化を図ることを達成した。

      まとめ

      信頼性評価と余寿命評価は、サブパーツをもう1 ライフサイクル使用できるか、それとも新品サブパーツに交換するべきかを、的確に判断できるか否かを決定づけるものであり、リマニュファクチャリング・リファービッシュの経済性、信頼性、省資源効果を決定づける。リマニュファクチャリングに際しては、表面傷や金属組織の変化を定量的に判定できる非破壊検査が重要となる。さらに、金属組織の機能回復技術を使いこなし、疲労寿命を改善することは、機械構造部品のリマニュファクチャリング普及に大きく貢献するものと期待される。

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