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- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
学生受け入れ中
研究内容
- Keywords
ナノ構造材料 電子顕微鏡
所属学会
日本顕微鏡学会, 応用物理学会
エネルギー・環境材料研究センター
タイトル
試料ホルダーを用いたその場TEM観察
キーワード
透過電子顕微鏡,その場観察,触媒
概要
材料の特性はその微細構造と密接に関係しており、材料の研究開発において微細構造の解析は欠かせない。透過電子顕微鏡(TEM)は、材料の構造や挙動を原子レベルで観察・分析できる強力な手法である。一方、TEMは電子線を用いるため観察試料を真空中に置く必要があり、材料が実際に使われている環境とは大きく異なる条件での観察となる。そこで求められているのが、実働環境に近い条件下で観察を行う「その場(in situ)TEM観察」技術である。
例えば、環境・エネルギー問題の解決策として注目される触媒の多くは、ガス雰囲気中・高温下で使用される。私達のグループでは、このような触媒材料のその場観察に向けて、TEM試料ホルダーを用いたその場観察システムを開発した。試料ホルダーは顕微鏡本体から独立しているため、観察対象に合わせた開発・改良を柔軟に行える。さらに、近年の微細加工技術の進歩により、厚さ数mmのホルダー先端部分に複数のパーツを組み込み、様々な環境場を作り出せるようになった。
本システムとTEMによる各種観察・分析手法を組み合わせることで、触媒を多角的に観察・計測し、実働環境下における材料の微細構造や組成の変化を捉えることができる。これにより、触媒の高効率化・長寿命化・低コスト化のカギとなる反応・劣化メカニズムの解明を目指している。
新規性・独創性
・差動排気機構をTEM試料ホルダーに搭載
・隔膜による電子散乱がないので、電子エネルギー損失分光(EELS)やホログラフィーに有利
・触媒の構造、組成、化学結合状態、価数(酸化状態)をその場で観察・分析
内容

気相反応触媒のその場観察の向けて、ガス加熱試料ホルダーを開発した。市販のホルダーでは隔膜を使ったものが多いが、本ホルダーでは隔膜を使わず、差動排気効果によってガス雰囲気を作り出している。開発したTEM試料ホルダーを用いると、20Paのガス雰囲気中で最高1000℃まで加熱しながら観察できる。さらに、隔膜による電子散乱がないため、TEM内で行う化学状態分析や位相計測は膜の影響を受けない。これにより、TEMや走査TEM(STEM)観察や電子線回折に加えて、EELSや電子線ホログラフィーによる分析・解析も併用でき、触媒粒子の微細構造の変化に加え、組成、化学結合状態、価数、酸化・還元状態を局所的に分析している。
本ホルダーシステムを用いて、NIMSで開発された、Ni触媒とY₂O₃担体の二相がひも状に絡み合う「根留触媒」Ni#Y₂O₃を観察した。その結果、通常の担持型Ni触媒粒子と異なり、根留触媒はメタン転換反応中も構造的・化学的に安定であることがわかり、これが長時間にわたって反応が持続する要因であることを明らかにした。
まとめ
ガス雰囲気中で試料を加熱しながら観察できる、その場TEM観察システムを開発した。本システムは触媒材料の観察を目的としたものであるが、金属材料やセラミックス材料の観察にも応用できると考えられる。また、ガス雰囲気中での加熱に加え、ガス雰囲気中の電気特性測定、観察中のガス種の切替等への展開も可能であり、今後さらに応用範囲を拡大していく。
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