SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

構造材料 チタン合金 金属組織 偏析 層状構造 異方性 ステンレス鋼

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本金属学会, 日本鉄鋼協会, 日本熱処理技術協会, 軽金属学会, 日本機械学会, 日本チタン学会

      受賞履歴

      • 日本熱処理技術協会口絵写真賞 (2021)
      • 日本熱処理技術協会技術賞(粉生賞) (2020)
      • 日本鉄鋼協会学術記念賞(白石記念賞) (2018)
      構造材料研究センター
      タイトル

      新規加工熱処理によるチタン系材料の組織制御

      キーワード

      変形組織,元素偏析,集合組織,層状構造,異方性

      概要

      引張強さや破断伸び、疲労強度といったチタン合金の機械的性質は合金組成だけでなくその金属組織によっても大きく影響を受ける。これまでも機械的性質の向上のため鍛造や圧延といった加工と熱処理を組み合わせた加工熱処理による金属組織制御について多くの取組が行われてきた。我々は変形双晶などの変形組織や元素偏析を利用した新たな加工熱処理手法の開発を目指した研究を進めている。主なターゲットとして複相層状組織のような異方性を有する材料の創製およびその機械的性質の評価を行う。

      新規性・独創性

      変形双晶や元素偏析を利用した新たな視点からの加工熱処理手法の構築
      NIMSの材料溶解創製ユニットと連携した精緻な加工熱処理の実施
      層状組織のような異方性を有する新規材料の開発

      内容

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      左図はTi-12Mo(mass%)合金に軽圧延および時効熱処理を施すことでα/β二相の複相層状組織(ミルフィーユ組織)を導入した事例を示す。溶体化熱処理によってβ単相としたTi-12Mo合金板材に5%程度の冷間軽圧延を加えることで変形双晶が層状に導入される。その後時効熱処理を施すと変形双晶の界面にα相が優先的に析出・成長することでα/β二相が積層した層状組織が実現する。このような層状組織はその後圧縮等の変形を加えることでキンク変形と呼ばれる層状構造が屈曲した特異な変形組織を呈することがわかっており、機械的性質に及ぼす影響について現在調査を進めている。右図は同じTi-12Mo合金の溝ロール圧延材の断面組織である。Moの拡散が遅いことから材料中にMoの偏析、すなわちMo量の多い部分(図中の明るいコントラスト)と少ない部分(暗いコントラスト)が渦状に生じる。この渦状組織(ゴッホの絵画からVGS(Van Gogh's Sky)組織と呼ばれる)に硬質第2相であるω相が析出する時効熱処理を施すと、Mo量の違いに対応してω相の析出量に濃淡ができ、それが材料中の局所的な硬さ変化を生み出し、最終的に通常の材料と比較して室温引張特性が向上することがわかった。

      まとめ

      新規加工熱処理のα/β型チタン合金などの一般的合金への適用
      疲労特性、衝撃特性等さまざまな機械的性質の評価
      大型部材や複雑形状部材への適用手法の検討

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